無明長夜を行く

無職→就職した独身アラフォー女性です。相変わらず先行きの見えない日々を綴ります。

事故物件と誠実さ

昨日、2件アパートを内覧してきた。

 

数日かけて、2件に絞り込んだ上での内覧だったので、

その場でよかった方に決定した。

 

その時に、印象に残ったことを

ブログに書いておきたい。

書いておかないと、また自分がグルグルしてしまう。

 

 

センシティブな内容なので、

苦手な方は回避してください。

死や自死孤独死についての記事です。 

 

 

 「続きを読む」がうまく使えない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内覧した物件のうち、一件は事故物件だった。

物件サイトに明示されていた訳ではなく、

大〇てるで検索してヒットした。

 

それでも、とても条件がよかったので内覧をした。

 

 

 

結局、事故物件の方はやめた。

 

 

 

照明とか壁紙はきれいにリフォームしてあったけど

肝心の水回り設備がかなり古く、

窓も通路に面していて中が見えてしまう構造だったので、

そこがどうしても気になった。

 

 

 

その時に立ち会ってくれた仲介業の方の

仕事に誠実さを感じた。

 

 

事故といっても10年以上前のもので

恐らく、この間何人か住んでいるだろうから

すでに告知義務がないのにも関わらず

 

こちらの質問にはできる限り答えてくれた。

 

 

その場でわからないことは、

当時の担当の方(すでに別会社)に

その場で連絡までして、調べてくれた。

 

 

 

結局、わかった範囲では、

自分としては正直あまり気にならない条件だったので、

2件のうち、どちらにするか

とても悩んだ。

 

 

 

しかし仲介業者さんは、

あくまで個人の感想ですが、と前置きした上で

「自分はここは勧めない」としきりに

意見をしてくれた。

理由はあまり明確ではなく、全体の感じが~、水回り古いし~、としか

言ってくれなかったけど。

 

 

 

さて、自分がもしこの物件の担当だったらどうしただろう。

 

私だったら、はっきり言って

焦げ付いている物件の方を勧めるだろう。

 

 

 

こちらから無理にごり押ししたりはもちろんしないけど、

お客さん自身が

あまり気にしておらず、

事情も知った上で内覧希望するくらい乗り気であれば、

自分だったら焦げ付いている方をさりげなく勧めるけどなー。

仲介業なんて、お客さんとの付き合いは契約時までだろうから、余計に。

 

 

こちらに告げなかった事情があるのかもしれないけど、

昨日の担当者は

情報をできるだけ開示し、無理に勧めることもせず、

なるべく条件の良い方で決めてほしいと時間をくれた。

その態度が、とても誠実だと感じた。

 

 

 

 

この件で、どうしても思い出す過去の仕事がある。

 

新卒で就職したのは地方都市の役所で、

配属されたのは福祉課だった。

仕事柄、孤独死回避のために、親族や大家の依頼を受ける形で

嫌がる本人を説得して病院や施設に入所させることが度々あった。

 

 

「させる」と書いたけど、

今は昔のような「措置(精神科への措置入院は残存しているが)」は

とれないから、

あくまで、「本人の同意を得て」という形だったけど。

 

切っ掛け(本人が暴れる・家賃滞納を繰り返す・トラブルを起こす)などがあれば、

実のところ「ぶち込む」感じだった。

 

 

 

入院・入所させた後に諸々の手続きで面会に行くと

「どうして、アパートで死なせてくれなかったんだ!!」

「余計なことして!!」「恨むぞ!!」

と罵倒されるのはマシで、

 

 

「ずっと住んでいたところに戻りたい。病院(施設)には自由が全くなく辛い。

 もう希望はなにもない」

本当に辛そうにそう言われると、

 

「私の仕事ってなんだろう?私の担当は家族や大家さんじゃなくて、

 この人本人なのに」と思った。

 

 

でも、一旦入院させてしまうと、

地域で一人暮らしするための退院に漕ぎつけるのは相当困難。

基本は施設やグループホームへの退院になるけど、空かないし。

空いても、本人の希望するような生活には戻れないし。

 

 

結局、病院で自殺してしまったケースもあるし、

施設でずっと恨み言を言いながら暮らして結局亡くなったケースもある。

 

 

「他にどうしようもなかった」という思いと、「本当にそうか?」という思いは、

普段仕事をしていると、正直忘れている。

何人も、ひどい死に方をさせてしまったのに、それでも忘れている。

 

 

自分はそこまで他人に誠実ではなく、

自分の日々の仕事をミスなくこなすのに

120%の力を使ってしまうような余裕のない人間だから。

 

 

 

でも、今回実際に

過去の入居者が孤独死した部屋をみて、

何となくだけど

空っぽな感じがした。

 

 

別に嫌な感じではなかったけど、

なんとなく寒々しい部屋だったのは、自分も感じた。

単にその時間日光が当たってなかったからだろうけど、

自分がそう感じたのは事実。

 

 

過去の自分のケースの方の言動を聞くと

住み慣れた自分の部屋で亡くなったなら、

いいんじゃないかと思っていたけど

やっぱり、そうでもなかったんだろうな、と。

 

 

結局、

住み慣れた自宅で、訪問診療などで満足のいく医療を受けながら

または医療機器のそろった病院で

親しい人たちに見守られながら、安らかに眠る…

 

 

それが理想ではあるけど、

実際それが叶わない人が多い。

私も、どこで死ぬかはわからないけど

孤独死するのは間違いない。

 

 

 

上述の自分のケースについていえば

「どうして部屋で死なせてくれなかった!!」と激怒し私(担当)を恨む気持ちは

 まぎれもない本音。死ぬまでそう思っていただろう。

 

でも、必要な医療を受けて、体力回復して余裕が出たからこそ、

怒りや恨みが湧いてきたのも事実だと思う。

 

そのまま、部屋で、苦しくなっても誰にも助けられず一人で死んだとして

それで幸せで安らかだったとは正直思わない。

昨日の部屋をみて、なんとなくそう感じた。

 

 

結局、正解はないんだろうな、と思う。

どっちも、地獄。

 

 

でも、正解がないなら、

その場その場で

自分が誠実だと思う行動をとっていくしかない。

結局それしかないんじゃないか。

 

 

自分はそれをしてこなかったから、

グルグルしているんだろう。

 

 

ありきたりだけど

誠実さ、というのは

結局自分自身の人生に対してなんだろうな

 

 

わかっちゃいるけどなー…